僕の大好きなSF作家の短編集に、素敵なバイク小説が収録されていたので、ご紹介します。
お話はこんな感じ。
近未来のオートバイの制御装置にはAIが搭載されていて、バイクの状況や転倒などを中央制御装置的なテストマシンAIに通信で伝達するようになっています。
物語は、このAIとテストマシンAIの会話文で進んでいきます。
うえ、AI同士の会話かよって感じかもしれませんが、この主人公バイクのAIが愛嬌あって人間臭くって、AIなんて思えない。実際、お前変だよとテストマシンに言われたり。なので読みやすいです。
2人?の会話だけで進むんですが、実は人間とは会話ができないんですよね。それが、また、逆にいいんです。
ネタバレになっちゃうんで言えないんですが、バイクから人間への想いに泣きそうになっちゃいました。
バイク乗りなら共感できるネタが散りばめられています。
ちなみに、主人公バイクのメガリス3Rというバイクが、オン・オフ両用だったり、バイク便に使われたりと、僕の最初のバイクAX−1を思い出す感じで共感が強まる理由だったりします。
この小説の作家・小川一水さんはバイク乗り(Twitterのアイコンがバイク)ということもあり、描写がうまいです。
あ、ほかのSF小説もそこまでハードじゃないので、ろーどそうるず目当てに買っても楽しめるはず?(小説のタイトルにもなっている「アリスマ王の愛した魔物」は星雲賞というSFの賞をもらってるので、よりお得?笑)
「ろーどそうるず」は2011年発表の小説ですが、結構時代が追いついてきた感じで、最近は自動運転社会に2輪がどう適応するのかっていう話があったりしますよね。
最新号のBikeJINではボッシュのITSが特集されていますが、これは小説そのまんまな感じです。更にはカワサキのこういうAIは更に先を行く感じ。
なんにしろ、バイクとの関係は良くありたいものです。それは引いては社会との関係ってことなんでしょうが…などと年始なのでマジメなことも言ってみたり。
では、本年もよろしくお願いします!
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- 作者: BikeJIN/培倶人編集部
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